頭部挫創の縫合を試みた際に「局所麻酔で気持ち悪くなったことがあります」と言われ対応に難渋したので少し調べてみました
はじめに
- 日本国内で一般的に使用されている局所麻酔薬はリドカイン(商品名:キシロカイン、アミド型局所麻酔薬)であり、実際にリドカインによるアレルギーを起こすのは非常に稀(100万人に1人程度)とされる
- ただし、穿刺に伴う迷走神経反射を引き起こす(血圧低下、脈拍低下など)場合があるため、この過去がある患者から「過去に局所麻酔で気持ち悪くなったことがあります」と言う場合がある
- 局所麻酔を行う場面では「過去に局所麻酔で気持ち悪くなったことがありますか?」と言う質問を行う必要があるが、実際に「気持ち悪くなったことがあります」と言われると結構対応に困る
対応
- 待機的な手術などの場合にアレルギー検査を行える皮膚科などでキシロカインに対するアレルギー診断を確定する猶予が取れるかもしれないが、救急外来などではその場で対応しないといけない
- まず、気持ち悪くなった時の経緯を詳細に聞く必要がある(血液検査をする時にも気持ち悪くなったことがあるか、気持ち悪くなったのは針を刺されたタイミングか薬を入れたタイミングかなど)
→上記問診して局所麻酔を使うのが危険と判断した場合
①ケタミンなどを使用して鎮痛+鎮静してみる
②代替薬を使用してみる(ジフェンヒドラミン、エステル型局所麻酔薬のプロカイン)など
海外の報告でリドカインアレルギー患者に対してジフェンヒドラミンを使用し処置を遂行した事例がありました
Anesth Prog. 2018 Summer;65(2):119-123.
その他
- 局所麻酔を打つ前に皮膚表面にリドカインを滴下すると効果が弱まる?2018年RCT
・P:2011年2月〜2015年3月までの間に局所麻酔下で処置を受けた患者481人を対象
・I:皮下注射前に皮膚表面にリドカインを1〜2ml滴下する
・C:通常の皮下注射のみ
・O:視覚的アナログスケール(VAS)で疼痛を評価
・主要アウトカムでは介入群で疼痛が有意に改善(対照群16.6±24.8mm vs 介入群12.2±19.4mm; P=0.03)
・特にPICC挿入時に効果的(対照群18.8±25.6mm vs 介入群12.2±18.2mm; P=0.02)
Patel BK, Wendlandt BN, Wolfe KS, et al. Comparison of Two Lidocaine Administration Techniques on Perceived Pain From Bedside Procedures: A Randomized Clinical Trial. Chest. 2018 Oct;154:773-780.

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