ポイント
・血液及び凝血塊は飲み込まずに吐き出してもらうようにする
・出血点が分からず止血しているような場合には、鼻腔には何も入れずに鼻孔に綿球のみ入れる
・対応は簡単な場合が多いが、心疾患既往、凝固異常、血小板凝集異常などがある場合には難しくなることも
概要
・大多数の鼻出血は鼻粘膜の血管(主に小動脈・静脈)の破綻によるもので、通常1カ所から出ることが殆ど
・両側性に起こる稀な疾患としてOslerがあるが、反復して鼻出血を起こす既往がある
・破綻する血管の7割はキーゼルバッハ部位

対応
<適切な体位>
・患者に適切な姿勢を取らせることで、鼻出血の咽頭流入を防ぎ、患者の状態を落ち着かせることが重要
・患者を半坐位とし、両側から鼻翼をつまんでもらう。顔面を下方に向けさせ、鼻出血による血液及び凝血塊を飲み込まずに吐き出すように指示する
・両側からの出血を訴える場合でも、最初に出た側の出血によるもので、鼻腔後方から反対側に出血が回ってきたことによることが殆ど
・動脈性の出血であっても小動脈によるもののため、持続的に出血が続くことは殆どなく断続的に出血する
→とにかく適切な体位で血液及び凝血塊を飲み込まないことが重要
<基本的な処置>
・鼻中隔前方からのキーゼルバッハ部位からの出血の場合には、鼻鏡で出血部位を確認することが可能
・4%リドカイン(キシロカイン)と5000倍アドレナリン(ボスミン)を同量混和させた込めガーゼを出血部位にあて15分程度おいておくと自然に止血する
・電気メス、バイポーラ、高周波凝固装置などで出血部位を焼却することで完全に止血できる
・電気機器で出血部位を焼却できない場合にはゲンタマイシン or オキシテトラサイクロン・ポリミキシンBなどの抗菌薬付きの軟膏ガーゼで圧迫し、翌日に耳鼻咽喉科受診を指示。
・ボスミンガーゼを長期間留置することは感染を起こすため、必ず抗菌薬付きの軟膏ガーゼを使用する
方針
・止血していれば帰宅可能。出血している血管を確実に焼却してあれば再出血の可能性はないが、止血していても再出血することがあることを説明する
・過度な運動や飲酒は控えるように伝える
参考文献
N Engl J Med. 2021 Mar 11;384(10):944-951
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